茨城・八千代の昔話、動画に 町職員有志が作画や編集

動画作成に参加した野沢孝教さん、ハルヴォーソン淳美さん、白岩麻美さん(左から)=八千代町役場

茨城県八千代町は町に残る伝説や昔話を題材に紙芝居風の動画「八千代の昔話」を作成した。町の公式ユーチューブチャンネルで公開している。20~30代の職員有志12人が作画、朗読録音、動画編集の担当に分かれ、全5話を収めた。町生涯学習課の野沢孝教さん(35)は「どこでも誰でも見ることができる。子どもたちに少しでも興味、関心を持ってほしい」と話している。

子どもをはじめ幅広い世代に地域への関心を高めてもらおうと町教育委員会が企画した。町教委発行の「八千代の伝説と昔話」を参考に、計53作品のうち昔話に登場する建物などが残る五つの小学校区から1話ずつ選定した。

収録作品は、飯沼の大蛇(下結城地区)▽八町観音とお乳の木(川西地区)▽芦ケ谷村のムジナ(安静地区)▽なべんざと仏様(中結城地区)▽川尻の不動明王(西豊田地区)-の5話。時間は約4~7分間。動画の最後には「おまけ」として、物語の舞台となった映像が流れる。

飯沼の大蛇など3話分の作画を担当した秘書課の白岩麻美さん(27)は、パソコンでイラストを描いた。約3カ月かけこつこつ仕上げ、「デフォルメしながら、子どもを意識して対比をはっきりさせた。構図にもこだわった」と納得する出来上がり。農政課のハルヴォーソン淳美さん(26)は、大蛇の1作品で声の吹き込みとナレーションを担当。農民や大蛇役などの朗読に苦労したが「再録では、おいっ子に読み聞かせる時のテンションで臨んだ。最初の時よりよくできた」と笑顔を見せた。

動画は昨年8月の作品選びから3月の配信まで約8カ月間を要した力作。野沢さんは「町外や県外にいる町出身の人にも関心を持ってもらえれば」と期待している。

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