JR東海の丹羽俊介社長が4月12日、静岡県庁を訪れ、就任後初めて川勝知事と面会しました。丹羽社長は、着工のめどが立っていないリニア中央新幹線の県内工事について「コミュニケーションを大切にする」と強調しました。
県庁を訪れたのは、JR東海前社長の金子慎会長と丹羽俊介社長です。
<川勝平太知事>
「ようこそお越しいただきまして恐縮でございます」
<JR東海 金子慎会長>
「社長の交代のあいさつに参りました」
<JR東海 丹羽俊介社長>
「丹羽でございます。どうぞよろしくお願い致します」
4月から金子会長に代わり就任した丹羽社長は川勝知事と初めて面会しました。
<JR東海 金子慎会長>
「日頃からいろいろ、輸送面、観光面でお世話になっておりますけれども、引き続きよろしくお願いします」
<川勝平太知事>
「Win Winの関係ですからね。なるべく国民の、県民のためになるようにお互い協力していきたいと心から思っています」
面会は冒頭を除いて非公開で行われ、約30分間対談しました。
<JR東海 丹羽俊介社長>
「できるだけ早期に、できるだけ早く、開業させたい」
6日の就任会見でリニア開業への意気込みについて、このように語っていた丹羽社長。12日の対談では川勝知事に対し、自らが浜松市の三ケ日生まれで2年間、静岡県内で勤務したことを説明。静岡は「大切な県」であると話したといいいます。
<JR東海 丹羽俊介社長>
「地域のみなさまのご懸念を解消に向けて、誠心誠意、ご説明を尽くしていきたい」
リニア工事をめぐるJR東海とのトップ会談は、過去にも注目を集めました。
<川勝平太知事>
「全量を戻すのが難しいという判断をなさったらどうなさいます?」
<JR東海 金子慎社長(当時)>
「私は、それは考えにくいと思っています」
<川勝平太知事>
「仮に(トンネルが)掘れない、水は戻せない、50:50でもあった場合どうしますか?」
<JR東海 金子慎社長(当時)>
「乗り越える技術はあると私は信じているので」
JR東海の金子会長は3月末の社長退任会見で「静岡工区の着手ができていないことで、リニア開業のめどが立たない」と話しています。
<JR東海 金子慎会長>
「会社全体としての大変大事な取り組みなので、一生懸命引き続き、力を尽くしていきたい」
リニア工事の静岡工区では大井川上流にある東京電力の発電用ダムの取水量を抑えて、工事による水の県外流出分と相殺する「田代ダム案」を巡る議論が山場を迎えています。
<川勝平太知事>
「科学的・工学的にやることが大切だということにおきましては合意したわけですね。共通理解であることが良く分かった」
一刻も早く工事を進めたいJR東海と待ったをかける県…社長の交代で静岡工区の着工に近づけるのかが注目されます。