チェルシー、下部組織出身の『ランパードチルドレン』。8選手の今

グレアム・ポッター前監督を解任し、フランク・ランパード氏をシーズン終了までの暫定指揮官に招聘したチェルシー。

ランパード氏といえばもちろんチェルシーのレジェンドであるが、監督としても2019-20シーズンから1年半指揮を執っていたことで知られる。

補強禁止処分を受けていたタイミングだったため、ランパード氏は下部組織出身の若手を多く起用し、多くの選手にチャンスを与えていた。

今回は「かつてフランク・ランパードがチェルシーのトップで起用した若手生え抜き選手たち」をご紹介する。

メイソン・マウント

2018-19シーズンにダービー・カウンティへと貸し出されたメイソン・マウント。そこでフランク・ランパード監督とともに戦い、2部で11ゴール6アシストと大活躍した。そして監督の後を追ってチェルシーへ戻った。

補強禁止処分の恩恵を受けた形でレギュラーに抜擢された彼は2019-20のブレイクスターとなり、さらにトーマス・トゥヘル監督にも非常に信頼された。2020-21シーズンにはクラブの年間最優秀選手にもなった。

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ただ、現在彼の将来は宙に浮いている。契約更新の交渉が決裂したとも言われており、この夏にはチェルシーを離れるつもりだとも…。

ビリー・ギルモア

2017年に16歳でグラスゴー・レンジャースから加入したギルモア。2019年のシェフィールド・ユナイテッド戦で途中出場し、シニアでのデビューを飾った。のちにFAカップやプレミアリーグ、チャンピオンズリーグでもマン・オブ・ザ・マッチに選ばれるなど、高い評価を得るに至った。

辛口解説者のロイ・キーンも「中盤にいるこの子は誰だ?ミッドフィルダーには求められる特徴がいくつかある。彼はボールを持つクオリティ、知性、落ち着き、すべてを備えていた」と好感触を得ていた。

ただトーマス・トゥヘル監督の下で出番を減らしてしまったことで、昨年夏にブライトンへと移籍。そこでもまだその真価を発揮できていない。

リース・ジェームズ

2018-19シーズンにウィガン・アスレティックへとローン移籍した際、リース・ジェームズは96%もの得票率を記録してファンの年間最優秀選手賞、年間最優秀ゴール賞を獲得した。

そして帰還後にフランク・ランパード監督の下でチェルシーのトップチームに定着し、いきなり37試合に出場。チャンピオンズリーグではクラブの最年少ゴール記録を更新してみせた。

それからもチェルシーの右サイドバックとして安定したプレーを見せており、イングランド最高クラスの選手として評価を固めている。

マーク・ゲヒ

ゲヒはグリムズビー・タウン相手のリーグカップの試合でデビュー。フランク・ランパード監督によって大きなチャンスを獲得し、それからも重要な試合でプレーするに至ったものの、マンチェスター・ユナイテッド戦で1-2と敗れたゲームが最後の出場になった。

その後スウォンジー・シティへと18ヶ月のローン移籍を経験し、そこでの印象的なパフォーマンスからクリスタル・パレスへと移籍し個人昇格。1800万ポンドの移籍金でステップアップし、プレミアリーグに戻ってきた。

それ以来多くの試合でプレーしており、ギャレス・サウスゲイト監督によってイングランド代表にも招集されることに。

イアン・マートセン

オランダのユース代表選手であるマートセン。2018年にチェルシーのアカデミーへと加入し、そしてマーク・ゲヒとともにグリムズビー・タウン相手のリーグカップでデビューを飾った。

ただ、彼はそれがチェルシーで唯一の出場になった。2020-21シーズンをチャールトン・アスレティックへのローンで過ごし、その後コヴェントリー・シティへと移籍した。

21歳になった彼は左サイドバックのポジションで活躍を見せており、現在はヴァンサン・コンパニ監督が務めるバーンリーにローン移籍中。2部で首位を走っており、来季はもしかしたらプレミアに戻ってくるかも。

ティノ・アンジョリン

フランク・ランパードが監督を務めていたチェルシーで、アンジョリンはプレミアリーグ、リーグカップ、そしてチャンピオンズリーグに1試合ずつ出場している。

ただトーマス・トゥヘル監督の下で1試合にしか出場できず、昨季はロコモティフ・モスクワにローン移籍。活躍は見せたが中足骨を骨折したために契約途中で返却されている。

その後ハダーズフィールド・タウンへとローン移籍しているが、今季は負傷によってキャリアを妨げられており、9月以来ボールを蹴っていない。

タリク・ランプティ

ランプティはチェルシーでの明るい未来を予感させられた選手の一人だろう。2019年12月のアーセナル戦で印象的なデビューを果たし、逆転勝利に大きく貢献した…にもかかわらず、それから2試合しかプレーしなかった。

そして新しい契約を拒否した上で2020年1月にブライトンへと移籍することを決断。怪我の問題に苦しんではいるものの、2021-22シーズンは素晴らしいパフォーマンスでプレミア最高クラスの若手として評価された。

22歳になった彼はバックアップのような立場になっているが、今好調なブライトンで有用な存在となっている。

アルマンド・ブロヤ

ブロヤは2020年3月に4-0で勝利したエヴァートン戦の終盤に途中出場したストライカーで、現在もチェルシーのトップチームに所属している。ただ、昨年12月に前十字靭帯を断裂してしまったが…。

2020-21シーズンにオランダのフィテッセで11ゴールを決めたあと、サウサンプトンへ貸し出された。そして昨季プレミアリーグでも活躍できることを証明し、そして復帰してきた。

今点取り屋が少ない状況となっているチェルシーにとって、彼が今年使えないのはなかなか痛いところである。

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