北町・関本中線開通 北茨城 津波避難の迅速化へ

「北町・関本中線」の開通をテープカットで祝う関係者ら=北茨城市関本町関本中

東日本大震災で津波被害を受けた茨城県北茨城市の沿岸部と内陸部を結び、津波避難道路の役割を担う都市計画道路「北町・関本中線」が12日、開通した。同市関本町関本中で開通式が開かれ、行政関係者や地権者、地元中学生ら約130人が出席。テープカットと安全祈願の後、渡り初めが行われた。同線開通で、災害時の迅速な住民避難が可能になると期待されている。

同線は市道で、大津町北町の県道「大津港停車場線」交差点と、関本町福田の県道「塙・大津港線」を結ぶ。長さ1350メートル、幅15メートルで片道1車線。途中、JR常磐線をまたぐ跨線橋が架かる。2014年度に事業着手し、総事業費は36億7千万円。

国の復興交付金を活用し総事業費約53億円をかけて市内3カ所に整備された津波避難道路の計画は、同線開通で完了した。

豊田稔市長は「命を守る道路ができた。今日で震災の災害復旧工事がほぼ出来上がった思いだ」と述べた。地権者の長谷川竹男さん(73)は「道路ができ、災害時の安心感が違う。踏切なく通行できてとても良い」と喜んだ。

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