まさか校舎屋上に半世紀…タイムカプセル開封してみた 福井県の金津小学校、中から経緯記した文書

解体したコンクリートから取り出されるタイムカプセル=福井県あわら市の金津小学校

 創立150年を迎えた福井県あわら市の金津小学校で、創立記念事業実行委は3月下旬、約50年前に校舎屋上に保管されたタイムカプセルの取り出しと開封を行った。一般的にカプセルは地中に埋められることが多く学校関係者を驚かせたが、中には校舎の移転に伴い屋上に設置した経緯を記した文書や、当時の学校生活を物語る文集や写真が良い保存状態で入っていた。9月24日の記念式典に合わせて、卒業生や在校生に披露される。

 実行委は一昨年の夏ごろ発足し、そのころ同校校長から屋上にカプセルがあることを聞いた委員長の土田洋輔さん(42)らが、カプセルの開封と式典当日の展示を企画した。

 屋上のカプセルは校舎本体に付属する形で、縦横1.4メートル、高さ1.1メートル、厚さ15センチの箱状のコンクリートにすっぽり覆われて保管。湿気がこもらないよう、数カ所に通気口も開けられていた。

 取り出し作業は実行委メンバーが見守る中、工事業者がコンクリートを解体。すると中から縦90センチ、横85センチ、高さ50センチある同校の校章が入った木箱がお目見えした。四方にくぎが打ち付けられていたため、土田さんらが工具を使って開けた。

 箱の中には当時の在校生の図工作品や文集、教科書、学校生活の写真など千点以上が入っており、保存状態も良好。埋めた1975年時の学校長とPTA会長連名の文書も同封されており、「当時(73年)学校新建設の計画があり埋蔵の位置の決定を見ないまま見送られていた」と、カプセルを埋めなかった経緯が記されていた。実行委は保存を確実にするため屋上に設置したのではないかとみている。

 土田さんは「カプセルが屋上にあるとは全然知らなかった。中身は卒業生にとっては懐かしく、今の子どもたちは学校生活の違いを感じられる。世代を超えた会話のきっかけになるとうれしい」と話した。

 カプセルは記念式典で公開後も校内で展示する予定。

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