自家用車で住民がドライバー「鬼タク」 生活の足と観光送迎の”二刀流”に表彰

表彰状を持つ大江まちづくり住民協議会の岡野会長(右)と慶和の浅井勇太郎社長=福知山市役所

 京都府福知山市大江町の住民の生活移動に加え、観光客の送迎も手がける「鬼タク」が近畿運輸局に評価され、運営する大江まちづくり住民協議会と市、タクシー会社「慶和」の3者が地域公共交通優良団体に選ばれた。住民自らが自家用車を使ってドライバーを務め、地域の足を支えている。

 慶和が配車業務を担う事業者協力型の有償運送事業として、2021年7月に始まった。同町の高齢者を中心に約130人が会員登録しており、土日祝日に限って町内の観光名所に案内する観光輸送は月に10人前後の利用があるという。

 住民が気軽に使える移動手段として定着しつつあるだけでなく、観光輸送で運転手を務める住民が利用客に直接、地域の良さを伝えられる点が評価された。

 協議会の岡野和樹会長(72)は「高齢化で鬼タクの需要は増えるはず。表彰は励みになるのでありがたい」と話していた。

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