福井県がデジタル地域通貨を11月にも発行…対象は県全域 市町からの給付金受給、商品購入も可能

福井県のデジタル地域通貨の仕組み

 福井県は、行政による給付金支給の迅速化や地域経済の活性化につなげるため、11月をめどに県内全域を対象としたデジタル地域通貨を発行する。利用者はスマートフォンに専用アプリをダウンロードし、各市町からの給付金やボランティア活動に伴うポイントを受給。県内のサービス加盟店で商品購入に使うことができる。

 2022年度2月補正予算にシステムの導入や運用、加盟店舗のサポートの費用として3億3千万円を計上。財源の一部に国のデジタル田園都市国家構想交付金を充てる。特定の地域で使えるデジタル地域通貨は、岐阜県高山市などの「さるぼぼコイン」など全国で広がっているが、県DX推進課によると、県と市町が共同利用でき、県全域を対象にしたデジタル通貨は全国でも珍しいという。

 県が導入するデジタル通貨は、海岸のごみ拾いなどの地域貢献活動に参加した後、QRコードを読み込んでポイントを取得し、加盟店で利用する仕組み。ボランティア活動や地域コミュニティーの活性化につなげたい考えだ。

 市町が紙で発行するプレミアム付き商品券を、デジタル通貨で買える仕組みも検討する。行政の事務負担を減らすとともに住民の利便性を高める。また、子育て応援や生活支援の給付金をデジタル通貨で支払うことで受給手続きを簡素化。子育て関連の給付金は、子育てを応援する店舗でのみ利用可能とするなどして消費喚起を図る。

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 デジタル通貨を利用できる店舗は、現在の「ふく割」加盟店を中心に募っていく方針。

 具体的な運用は23年度6月補正予算案の編成過程で検討する。県の米倉広毅DX推進監は「行政にまつわるお金のやりとりに関してデジタル化を進め、効率性や利便性を向上させていきたい。地域貢献活動への参加を後押しし、住民自ら地域をより良くするためのツールとしても活用できれば」と話している。

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