送水管破損箇所の究明急ぐ 芳賀台地土地改良区、国・県と対策本部設置 

 芳賀郡4町の約1千ヘクタールに農業用水を供給している芳賀台地土地改良区(理事長・入野正明(いりのまさあき)市貝町長)の取水用送水管が那須烏山市内で破損した問題で、関係者による本年度の「国営分水工および県営・町営給水栓管理者合同会議」が12日開かれ、破損箇所究明に全力を挙げる方針が示された。また国、県、同改良区の3者で対策本部を設置したことも報告された。

 会議には同改良区の役員、分水工・給水栓を管理する受益者の代表ら約70人が出席。国、県をはじめ芳賀、市貝、益子、茂木の各町の関係者が加わり、通水計画や施設の管理、バルブの操作方法などを確認した。

 施設を保有する国から施設管理を任されている県は、土中にある送水管の破損箇所の確認と原因究明を急ぐ考えを示した。重機の進入路建設へ向け、地権者数人と既に交渉に入っているという。会議では、同改良区の入野理事長を本部長とする対策本部を6日に設置したことも報告された。

 入野理事長はあいさつで「一日も早く(送水管が破損した)崩落現場にたどり着き、復旧工事に入りたい」と述べた。同改良区事務局は「調整池の水を有効に使うしかない。例年の使い方だと5月20日ごろには水を流せなくなる。用水の掛け流しのないような管理を」などと危機感を訴えた。

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