県産杉でブラインド商品化 林業活性化、SDGs推進 ナニックジャパン那須工場

ナニックジャパンが県産杉材で製造した「スギシリーズ ウッドブラインド」

 木製のブラインドやシャッター製造販売のナニックジャパン(東京都渋谷区、甘露寺信房社長)は、本県産の杉材を使った木製ブラインドを開発し、商品化した。昨春、稼働した那須工場(那須塩原市関谷)で製造している。

 同社によると、木製ブラインドの羽根は従来、北米産などのバスウッド(シナノキ)が使われている。しかし、新型コロナウイルス禍による海外工場の休止やウッドショックと呼ばれる世界的な木材価格の急騰、円安進行、コンテナ不足などの影響で輸入資材が高騰。脱炭素化の推進をはじめSDGsへの関心も高まっていることから、国産材に商機を見いだした。

 同社は昨春、唯一の生産拠点を埼玉県戸田市から那須塩原市に移した。本県は良質な杉材を安定して調達でき、輸送費なども抑えられることが決め手となった。県産杉材を使った商品化は今回が初めてという。

 完成した商品は「スギシリーズ ウッドブラインド」(全8色)。木目がしっかり出たり、年輪によって色が異なったりする杉材の特徴を生かし、洋風の部屋にも合うデザインにした。国産材でも購入しやすくなるよう、価格帯も最上ランクから2番目に抑えた。

 既にゼネコンやビルオーナーなどから引き合いがあるという。今後、国産材の活用を増やしていく方針で、高橋光哉常務執行役員は「脱炭素やSDGsに対する意識が高まっている。県産材を使って、林業の活性化にも貢献していきたい」と話した。

ブラインドの品質検査を行う那須工場の従業員=那須塩原市
県産杉の角材(下)とブラインドの羽根に加工された県産杉=那須塩原市
県産杉の角材(下)とブラインドの羽根材に加工された県産杉材=那須塩原市

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