米クルーズ船 瀬戸内の港町「鞆の浦」に初寄港 乗客が街めぐり インバウンド復調の兆し 広島

コロナ禍でしばらく見ることのできなかった光景が、瀬戸内の港町に戻ったようです。アメリカのクルーズ客船が、広島県福山市の「鞆の浦」沖に初めて寄港し、乗客が街歩きを楽しみました。

鞆の浦の名産「保命酒」を味わう外国人旅行客…。

福山市 鞆町沖に姿を現したのは、アメリカのクルーズ船「スターブリーズ」です。全長およそ160メートルの豪華客船です。

周遊は3月21日から4月16日までで、アジアの国々を巡った後、沖縄や長崎などを経由してきました。続々と鞆町に到着する乗客たち。

地元の子どもたちが和太鼓の演奏を披露しました、鞆町沖に外国客船が寄港するのは初めてです。

観光名所でもある「常夜燈」前で歓迎式が開かれ、枝広直幹 市長とクルーズ船の船長それぞれが、記念品を贈りました。

クルーズ船「スターブリーズ」 ペドロ・ピント 船長
「わたしたちが思っていたのは、鞆の浦のような本物の経験や体験、大きな都市ばかりでなく、地元の人と交流し文化を味わうことをお客さまに体験してもらいたい」

クルーズ船の乗客200人あまりは、思い思いに港町を散策していました。

観光スポットで出迎えたのは、地元の生徒たちです。

町内5か所で英語のガイド役を務め、魅力を発信したほか、時折り日本語も交えながら交流しました。

一方、国の重要文化財「太田家住宅」では、訪れた人たちが琴の生演奏を観賞したほか、抹茶とわらびもちが振る舞われるなど鞆の文化や歴史を堪能していました。

乗客たち
「これはいい。抹茶好き」

「これまで来た中で一番すばらしい場所です。日本の昔からの伝統をそのまま伝えていて、西洋の建築に染まっていないところがいい」

徐々に見え始めるインバウンド需要、復調の兆し…。

地元の人たちにとっても、久々の活気のようです。

けんちゃんのいりこ屋 篠原真紀 さん
「こういうふうにたくさん来られるのはなかなかなかったので、すごくうれしいです。もう少し英語力を磨いて、たくさんの人に日本の商品を知ってもらいたい」

外国人旅行客は5時間ほど滞在して、鞆の浦を後にしました。

福山市によりますと、ことし、鞆町沖に寄港する外国の豪華客船は13日を含めて7回を予定していて、21日にはフランスの船が立ち寄るということです。

© 株式会社中国放送