緑茶は海外に活路 国内消費低迷も輸出は15年前の4倍「体にいい」が世界中に定着

静岡市の静岡茶市場で4月13日朝、新茶の初取引が行われ、最高値は1kgあたり120万円と高値での取引となりました。国内での緑茶の消費量は低迷する一方、海外の需要は拡大。その背景には何があるのでしょうか?

13日、静岡茶市場で行われた新茶の初取引。気温の高い日が続き、茶葉の育ちが順調なことから、過去最も早い日程での初取引となりました。

最高値で取引されたのは静岡市清水区両河内で栽培された「高嶺の香(たかねのはな)」で、1kgあたり120万円の値がつけられました。

<最高値をつけた和田長治商店 和田夏樹社長>

「いい仕入れができた。(茶業関係者に)納得してもらえる品質でないといけないし、それに見あう金額をつける使命があると思っていたので少し緊張しました」

一方で、総務省調べの世帯ごとの年間のリーフ茶の消費量は、ここ15年ほどで約3割減少。近年、茶業界を取り巻く環境は一段と厳しさを増しています。

<滝澤悠希キャスター>

「いただきます。やっぱり新茶のうまみは格別です。国内のリーフ茶の消費量が減少する中、“海外への販売”に力を入れている企業もあります」

静岡市葵区の茶商「浜佐園」は、現在、販売先の約6割が海外。アメリカや東南アジアをはじめ、ヨーロッパや中東を含めた約40か国の企業などが取引相手で、売り上げは年々伸びていると言います。

<浜左園 五代目 名波透さん>

「コロナ明けで普段海外でお茶を飲んでくれている方が、いま日本に来てくれているというタイミングなので、新茶を買っていただければ」

<名波さんとカナダ女性>

「かんぱい」

「Thank you for coming to JAPAN!」

13日も新茶の取引に合わせて、カナダでカフェを経営する女性が訪れていました。

<カナダでカフェ経営している ミッシェル・チャングさん>

「こんなにうまみのあるお茶を飲んだことがない。日本茶は北欧にはない、独特な味」

財務省のデータを見ても、緑茶の輸出量は年々増加傾向で、2021年には6000トンを超え、15年前の約4倍に。専門家は海外で健康意識が高まっていることが人気の要因の一つと分析します。

<茶学総合研究センター 中村順行センター長>

「特に健康効果に対するエビデンス(証拠)が多く出ており、緑茶は体にいいんだという認識が世界中に定着してきたことが1つの大きな要因だと思う」

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