栃木県大田原市湯津上の市大野(おおや)放牧場で13日、牛の放牧が始まり、酪農家4軒が育てる生後6〜25カ月の乳用牛22頭が入牧した。
午前9時ごろから、酪農家らがトラックで乳用牛を運び入れ、体重や体高、健康状態のチェックがされた後、広さ約28ヘクタールの敷地に次々に放牧された。慣れない土地に戸惑う様子の牛もいたが、しばらくすると丘陵地を元気に走り回ったり、草をはんだりした。
肉用牛は5月から入牧され、11月の収牧まで放牧場で過ごす。広大な公共牧場での放牧は、各農家での管理より牛のストレスが減る上、足腰が鍛えられ丈夫になるメリットがある。
牧草が、放牧に適した状態に育つこの時期に始まる。大野放牧場組合の長谷川賢一(はせがわけんいち)組合長(72)は「今年は春が早く牧草の伸びがよい」と話す。新型コロナウイルス禍や円高などで飼育を巡る環境は厳しいが「秋まで健康に過ごし、一回りも二回りも大きく育ってほしい」と期待をかけた。