マスク姿変化なく 県内の屋内施設 着用「新常態」 緩和から1カ月

ピラティスに取り組むスポーツジムの利用者たち。大半がマスクを着けていた=13日午後、宇都宮市西川田町

 政府が新型コロナウイルス対策のマスク着用ルールを緩和して13日で1カ月。県内の公共施設、スポーツジムなど屋内施設では依然としてマスク姿が目立ち、緩和以前と大きな変化は見えない。花粉症対策などの時期と重なったほか、専門家は「エチケットの感覚が継続しているのではないか」とみている。

 宇都宮市西川田町、スポーツジム「ラグザ+24」のスタジオでは13日午後、約35人がボクササイズに汗を流していた。1人を除き全員がマスク着用。外していた同市、矢古宇啓子(やこうけいこ)さん(78)は「ない方が呼吸しやすいし、気持ちがいい。知人と話すときは着けるし、臨機応変に対応する」と話した。同市内はスーパーなどでもマスクなしの姿は少ない。

 同市中央図書館は入り口付近にマスク着用が「個人判断」だと知らせる掲示をしたが、マスクを外した利用者はわずか。館内奉仕グループの稲葉理香(いなばりか)課長は「利用者も職員も、マスク着用が定着した」と捉える。

 子連れ客が多い大田原市佐良土の県なかがわ水遊園でも同様という。担当者は「小学生以上はほぼ着用している。来園者の様子に変わりはない」と話した。 

 作新学院大人間文化学部の木村雅史(きむらただふみ)准教授(コミュニケーション論)は「公共の場での着用がニューノーマル(新常態)になった。顔の一部を隠す道具としてメリットを感じている人もいる」と推察。「梅雨や夏場など気象的な要因がきっかけで、外す人が増える可能性はある」と指摘している。

ピラティスに取り組むスポーツジムの利用者たち。大半がマスクを着けていた=13日午後、宇都宮市西川田町
ピラティスに取り組むスポーツジムの利用者たち。大半がマスクを着けていた=13日午後、宇都宮市西川田町

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