タイトなコースで11度も手にしたドライバー 河本力の確かな自信

初日はドライバーショットが11回。飛距離を武器にコースを攻める河本力(撮影/中野義昌)

◇国内男子◇関西オープン初日(13日)◇泉ヶ丘カントリークラブ(大阪)◇7051yd(パー71)

その気になれば、ドライバーを抜いても勝負できるかもしれない。昨季1位の平均ドライビングディスタンス314.74ydは、2位の清水大成を約12ydも上回る。それなのに、河本力はこの日、パー3を除く14ホールで11度もドライバーを握った。

開催コースの泉ヶ丘カントリークラブは戦略性が高い。高低差が大きく、OBゾーンと林にセパレートされた各ホールは狭い上に、ボールの落とし所である300yd近辺のフェアウェイもギュッと絞られていたりする。「去年だったら? このコースでドライバーを持つ回数はもっと少ないと思います」。3W、もっと言えば得意の3Iでリスクを避けつつ飛距離のアドバンテージを生かす戦略もあるが、驚異的な飛ばし屋は「去年よりもOBにしない自信がありますから」と理由を語った。

絶対的な飛距離をより生かすため、学び、考えてきた。昨季の終盤に差し掛かったころ、口にしたのは「足の裏で地面を踏み抜くようなイメージ。“つかむ”じゃなく、もっと強く」。下半身、体をより強固に安定させて、より遠く、より正確に。「目指すは体重100kg」と言い、オフに鍛えた。「開幕前にMAX 102kgまで行ったんで、そこから絞って今97kgです。今年はずっと97kgで行きます」。プロ転向した2021年12月から、1年ちょっとで10kg以上も大型化した。

ビッグスコアの予感はある(撮影/中野義昌)

この日は5バーディ、3ボギーの「69」だった。初日で首位と5打差の19位は悪くないが「内容は全然良くないです」と言う。「こう打って、パッと見た時にボールが“そこ”にないことが多くて」。インパクト後、目線を前方に移した時の体の動きを再現しながら、不満を口にした。イメージしたライン上の目印(スパット)にボールが出ない。スピードや角度などにズレがある。「もちろん、いいショットもあります。でも、半々…いや半分もいってないかな。理想では(10のうち)8、9ぐらいまで持っていきたいんです」

残り3日。「でも、去年はもっと波が激しかったから。一歩じゃなく、三、四歩は前進してます。ビッグスコア? ハマれば全然ありますよ」。目標に「賞金王」を掲げるシーズンの第2戦。爆発の準備は整っている。(大阪府堺市/加藤裕一)

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