使用済みペットボトル回収し再びペットボトルに 舞鶴市が新事業 年間150トン資源化へ

ペットボトルの水平リサイクル事業協定を締結した鴨田市長(中央)ら(舞鶴市役所)

 京都府舞鶴市は今月から、使用済みペットボトルを回収し、ペットボトルに再生する水平リサイクル事業を始めた。原料となる石油燃料の削減につなげ、環境負荷の小さい循環型社会推進を目指す。

 市内では年間約150トンのペットボトルごみが排出される。市が回収した後は日本容器包装リサイクル協会に渡っていたが、リサイクル方法を自治体で選択できず、繊維などに再生されると、最終的には焼却や埋め立て処分となっていた。

 全量を再びペットボトルに生まれ変わらせることで質の高いリサイクルを進めようと、市は3月24日、リサイクル事業を展開する商社大手の豊田通商(名古屋市)と飲料大手のキリンビバレッジ(東京都中野区)との3者間で協定を結んだ。

 舞鶴市内で排出された使用済みペットボトルを、豊田通商が「ペレット」と呼ばれる原料に加工、キリンビバレッジがリサイクルボトルとする。製造に新たな化石原料を必要とせず、二酸化炭素(CO2)の排出量を抑える効果もある。

 協定に基づき、小学生らが再生ルートを学ぶオンライン工場見学など市民への啓発事業も予定。市役所での締結式で鴨田秋津市長は「誰もが住みやすい持続可能なまちを目指し、市民や事業者とともにごみの減量化と資源化を進めたい」と話した。

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