FP2もトヨタ1-2。可夢偉駆る7号車が2番手にコンマ9秒差をつけ初日首位/WECポルティマオ

 4月14日、WEC世界耐久選手権第2戦ポルティマオ6時間レースのフリープラクティス2回目(FP2)が現地金曜の15時30分から行われ、小林可夢偉駆る7号車トヨタGR010ハイブリッド(マイク・コンウェイ/可夢偉/ホセ-マリア・ロペス組)が、TOYOTA GAZOO Racingの姉妹車である8号車をコンマ9秒引き離すタイムで全体トップとなった。

 14日(金)午前中に行われたFP1に引き続き、ポルトガルのアルガルベ国際サーキットは晴天に恵まれFP2もドライコンディションでの実施となった。セッションスタート時の気温は21.3度、路面温度は37.7度といずれの数値もFP1と比べて高くなっている。

 トヨタ、プジョー、フェラーリ、ポルシェ、キャデラック、さらにノンハイブリッドLMHを走らせるグリッケンハウス、ヴァンウォールと計7メイクスの“大所帯”となった最高峰のハイパーカークラスでは、5号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)を除く全車がシグナルグリーンとともにコースイン。すると93号車プジョー9X8(プジョー・トタルエナジーズ)を駆るポール・ディ・レスタがまずは1分34秒101のターゲットタイムを設定する。

 これを最初に破ってきたのは51号車フェラーリ499P(フェラーリ・AFコルセ)で、アレッサンドロ・ピエール・グイディが1分33秒471を記録してトップに。これとほぼ同じタイミングでコントロールラインを跨いだ可夢偉の7号車トヨタGR010ハイブリッドは、FP1で姉妹車8号車が記録した最速タイム1分32秒792を大きく更新する1分32秒155をマーク。タイムシートの最上段のスロットを奪ってみせる。

 その8号車は平川亮のドライブで1分33秒546を記録し、51号車に次ぐ3番手につけるとセッション開始から15分が立たない内に自己ベストをコンマ4秒ほど更新して2番手に。それでも可夢偉のタイムからは0秒959の後れを取った。

 前戦ポールシッターのフェラーリは、ミゲル・モリーナのドライブで50号車が1分33秒301を出して3番手に浮上するも、トヨタの牙城を切り崩すまでには至らず。僚友51号車とともに3、4番手で王者の後塵を拝した。

 セブリングに比べて“ノーマル”でフラットに近いこのポルティマオで競争力の向上が期待されるプジョー勢は、5番手につけた94号車プジョー9X8がトップの7号車トヨタから1.6秒遅れ、遅れてピットを離れた5号車ポルシェ963を間に挟んで7番手となった93号車は1.946秒の遅れとなった。首位と1.9秒から2.0秒の間にはさらに2台、2号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・レーシング)と708号車グリッケンハウス007 LMH(グリッケンハウス・レーシング)も含まれている。

 アンドレ・ロッテラーも乗り込む6号車ポルシェ963はかろうじてLMP2勢に喰われることは免れたが、その差はコンマ2秒だ。一方、4号車ヴァンウォール・バンダーベル680(フロイド・ヴァンウォール・レーシングチーム)は1分34秒745でLMP2クラスの上位2台に先行を許した。

欧州でのテストを実施せず、シミュレーターテストのみでポルトガルに乗り込んできたキャデラック・レーシングの2号車キャデラックVシリーズ.R 2023年WEC第2戦ポルティマオ6時間レース

■木村武史組57号車フェラーリが連続トップタイム

 そのLMP2クラスでトップタイムを記録したのは、10号車オレカ07・ギブソン(ライアン・カレン/マティアス・カイザー/ガブリエル・オーブリー組)を走らせるベクター・スポーツだ。先日、新型LMHをシェイクダウンしたイソッタ・フラスキーニと提携するイギリスチームのマシンはオーブリーによって1分34秒609を記録し、クラス2番手につけたインターユーロポル・コンペティションの34号車オレカと、FP1で最速だったプレマ・レーシングの63号車オレカを上回ってみせた。

 LMGTEアマクラスでは、午前のセッションに続いてケッセル・レーシングが最速に。木村武史組57号車フェラーリ488 GTEエボが2度のル・マン優勝経験を持つダニエル・セラのドライブで1分41秒209をマークし、同門のリシャール・ミル・AFコルセの83号車、AFコルセの54号車とともにフェラーリのワン・ツー・スリーを築いている。

 他社陣営ではGRレーシングの86号車がポルシェ911 RSR-19勢最速の4番手。クラス5番手にはコルベット・レーシングの3号車シボレー・コルベットC8.Rが入った。アストンマーティン勢は3台全車が後方に沈み、星野敏/キャスパー・スティーブンソン/藤井誠暢組777号車バンテージAMR(Dステーション・レーシング)もクラス13番手で初日の走行を終えている。

 WEC第2戦ポルティマオの予選日となる15日(土)は、11時15分(日本時間19時15分)から60分間の走行枠となるFP3が行われる。また、15時30分(日本時間23時30分)からはLMGTEアマ、LMP2、ハイパーカーの順に各15分の公式予選が実施される予定だ。

FP1に続きFP2でもダニエル・セラの好走でLMGTEアマクラストップにつけた57号車フェラーリ488 GTEエボ(ケッセル・レーシング) 2023年WEC第2戦ポルティマオ6時間レース

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