京都の里山でファンクラブ発足、会員は町外住民 自然体験や行事参加の特典

会員募集を呼びかけるポスター(京都府京丹波町・若竹センター)

 京都府京丹波町竹野地区の住民自治組織「竹野活性化委員会」は、町外の人との交流を増やそうと「ファンクラブ」を立ち上げた。入会すると自然体験や地域の行事に住民と一緒に参加できる。同委員会は「地域住民だけでなく、今後はファンクラブ会員と共に地域を盛り上げていきたい」と意気込む。

 竹野活性化委員会は2013年に発足した。住民の憩いの場やカーシェアリングの運営をはじめ、地元の竹野小学校の児童と住民による運動会や登山を実施するなど、さまざまな手法で地域活性化に取り組んでいる。

 近年、竹野地区では子育て世代の移住が増え、人口減少が鈍化しつつある。地方への移住を検討している人や、移住せずに里山での暮らしを体験してみたい人など幅広い層に向け、さらに地域の魅力を発信するため会員の募集を始めた。

 今年2月のキックオフイベントには、町内外から6家族35人が参加した。シイタケの菌打ち体験では、森林組合の職員から指導を受け、地元住民の助けを借りながら、原木にドリルで穴を空け、丁寧に菌を打ち込んだ。町外から参加した男児は「ドリルの振動が強くて難しかったけど、うまくできた」と笑顔で話し、母親も「子ども自ら地域になじみ、楽しそうにしている姿が見られてうれしい」と話した。

 イベントでは竹野小の見学やピザ作り体験のほか、地域住民の制作した紙芝居の上映会もあった。

 中西和之会長(76)は「イベントを通じて地域住民と交流し、移住を決めた家族もいる」と手応えを実感。「竹野に少しでも興味のある人に、まずはファンクラブ会員として地域づくりに関わってほしい」と呼びかける。

 ファンクラブは入会金、年会費ともに無料。イベントへの参加は自由で、必要な費用は都度集める。同委員会のホームページの申込書に必要事項を記入し、メール(info@takeno.kyoto.jp)か郵送で申し込む。

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