審査継続

 以前にも書いた覚えがあるが、私たちの毎日は、選択と決断の連続でできている。だから、選んだり選ばなかったり…はもちろん、選ばれたり、選ばれなかったりすることも、ごく当たり前に起きることは理解しているつもりなのだが▲判断が分かれたと聞いた瞬間の釈然としない思いが消えない。カジノを含む統合型リゾート(IR)の整備構想で、大阪の申請にはゴーサインが出され、本県の申請は「継続審査」に▲「最大3カ所」と法律に明記されている。実際に手を挙げたのは2カ所だ。それなのに、その片方だけが外される理由は何だろう。多大な時間と労力を投じて立案された計画なのだ▲ひょっとしたら、構想のスタート時から国には思い描いた“3カ所”があって、そこに「長崎」は含まれていなかったのか…と考えた。ただ、だとしたら、その事情が今の今まで明かされずに来たのはあまりにアンフェア▲資金調達が不安視されている-という説がある。だが、もしもそうなら、追加や補足の説明で計画の信頼度が大きく変わるだろうか。結論が出せないのはおかしい。思わせぶりはよくない▲反対論が根強いことは承知している。手放しで賛成しているつもりもなかった。それなのに、こんなにもモヤモヤする。これも一種の郷土愛-だろうか。(智)

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