今年も春がやってきた 咲きほこる桜が見せた絶景 爛漫の滋賀県をめぐる

青空の下で満開を迎えた桜。比叡山や大津の街並みを望む高台で、春の訪れを告げているかのように咲き誇っていた(3月27日、大津市・茶臼山公園)

 滋賀県は今年の冬も寒かった。東近江市では最低気温が氷点下12.3度と41年ぶりに観測史上の1位を更新するなど、厳しい季節だった。それでも、春はまた「湖国」に巡ってきた。

 3月は暖かい日が続き、彦根地方気象台(彦根市)は23日に桜の開花を宣言した。平年より9日も早い。1953年からの観測史上で2番目となった。比叡山や大津の市街地を望む高台にある大津市秋葉台の茶臼山公園の桜は、27日には満開を間近に迎え、薄紅色の季節の訪れを知らしめるかのように咲き誇っていた。

 北上する桜前線を追いかけるように、大津市の琵琶湖疏水の夕焼け、守山市の花見客、甲賀市土山町の鮎河の千本桜、長浜市余呉町で余呉湖岸でのナノハナとの競演、高島市新旭町で琵琶湖岸を彩る光景…。地域によって変わるさまざまな風景を探した。

 コロナ禍が落ち着く中で、笑顔の花見客をたくさん見かけた。去りゆく春を惜しみつつ、桃色に染まる県内各地の姿をたどった。

朝日を受けで輝く桜並木。名所として知られる「鮎河の千本桜」に早朝から多くの写真愛好家が訪れカメラを構えていた(4月3日、滋賀県甲賀市土山町)
春がすみの空の下、薄紅色の花が琵琶湖や対岸には伊吹山や竹生島を彩った(3日、滋賀県高島市新旭町)

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