化石眠る地層、骨格をイメージ…福井県立大学恐竜学部、隈研吾事務所が基本設計案 恐竜博物館隣に2025年開設

福井県立大学恐竜学部の学部棟の外観イメージ(福井県提供)

 2025年4月の福井県立大学恐竜学部(仮称)開設に向け、福井県立恐竜博物館(福井県勝山市)に隣接して整備する学部棟の基本設計案がまとまった。鉄筋コンクリート3階建てで、博物館の卵形ドームに合わせ屋根がなだらかな曲線を描くデザインを取り入れた。23年度当初予算に実施設計費約8330万円を盛り込んだ。

 基本設計は、国立競技場の設計などに関わった建築家隈研吾氏の「隈研吾建築都市設計事務所」(東京都)が担った。コンセプトは「世界の恐竜研究拠点にふさわしい新たなシンボル」。窓ガラスを含む外観は、しま模様で化石が眠る地層を表現した。

 学部棟は、従来のかつやま恐竜の森第3駐車場の場所に整備する。延べ床面積は約4200平方メートルで、施設整備費は約27億5千万円。

 1階に大型のCT装置で化石の構造などを調べるCT室や解剖室を置き、2、3階に講義室や実験室を備える。休憩や自習など多用途に使える約300平方メートルの学生ホールは、3階までの吹き抜け構造とした。内部の天井や壁面は県産材の柱を縦横に組み合わせ、恐竜の骨格をイメージした。

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 恐竜学部は、恐竜学や地質・古気候学などを学ぶ全国初の学部で、入学定員は30人。1年時は永平寺キャンパス(永平寺町)で一般教育科目を受講するため、学部棟は26年度から供用開始する。

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