4月15～16日、FIM世界耐久選手権（EWC）2023シーズン第1戦ル・マン24時間耐久ロードレースの決勝レースがフランスのル・マン-ブガッティ・サーキットで開催され、F.C.C. TSR Honda Franceが優勝した。
全54台で争われた2023年の開幕戦。日本チームで昨年王者のF.C.C. TSR Honda France（TSRホンダ）、フランスチームとしての登録だが日本由来のヨシムラSERT Motul、TEAM KAWASAKI WEBIKE TRICKSTAR（KWT）も参戦。渡辺一樹、岩戸亮介、渥美心、石塚健、大久保光の日本人5名もエントリーした。
決勝では、ホールショットをポールポジションのグレッグ・ブラック（ヨシムラSERT MOTUL）が奪ったが、ジョシュ・フック（F.C.C. TSR Honda France）との接触で2コーナーでクラッシュ。ヨシムラSERTはマシンを修復して最後尾からの追い上げを余儀なくされた。
序盤はTSRホンダ、YART YAMAHA、HONDA VILTAIS RACINGが首位争いを演じ、MOTOAIN、BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM（BMWモトラッド）、KWT、ERC ENDURANCE DUCATI（ERCドゥカティ）、KM99などが続いた。
スタートから約28分、コース上にオイルが漏れてSC（セーフティカー）が導入。OG MOTORSPORT WORLD ENDURANCE TEAMの渥美心がオイルが原因なのか、転倒してしまい、マシンを修復した。同チームはルードビック・リッザも後に転倒してレースを続行できなくなり、渥美とロベルト・ロルフォのふたりで走っていたが、11時間目にリタイアの決断を下した。
SC解除後にヨシムラSERT Motulがトップから約20周差でレースに復帰。1時間が経過して、YART YAMAHA、MOTOAIN、HONDA VILTAIS RACING、TSRホンダ、KWT、KM99、BMWモトラッドのオーダーに。
その後、トップがTSRホンダに変わり、BMWモトラッドが追い上げて2番手に。そこにYART YAMAHAが続き、各車が約5秒差をつけて単独でペースを維持していた。
4時間目以降はYART YAMAHA、TSRホンダ、BMWモトラッドのトップ3。5時間が経った頃、MOTOAINが白煙をあげてリタイアした。8時間にはTSRホンダがトップに立ち、YART YAMAHAが2番手、ERCドゥカティが3番手まで浮上させた。
YART YAMAHAがピットで作業を行って順位を下げ、TATI TEAMが上位に食い込むことも。気温約15度から、夜は4度まで落ち込み、雨は降っていないが白線や縁石は湿気で滑りやすい状態。また、オイルなども出て何度もSCが導入されるレース展開となった。
14時間が経とうとした際、2番手のYART YAMAHAが転倒を喫してしまう。4番手でレースに復帰したが、2番手まで浮上した。これでトップを走るTSRホンダは、独走状態だ。KWTは6～9位付近につけていたが、岩戸の転倒もあり11番手まで下げたがペースを維持して周回を重ねていった。
21時間が過ぎると7番手まで追い上げていたヨシムラSERT Motulがガレージでマシンを修復する場面も見られたが、8番手で復帰している。トラブルでもない限り大きく順位は変わることはないが、少しでもロスしないように各車がこれ以上のトラブルを抱えないように走る時間となってきた。
マイナートラブル、転倒やエンジンブロー、SCなど数多くのドラマがあり、20台がリタイアしたが、大きなトラブルなく順調に周回を重ねたF.C.C. TSR Honda Franceが優勝を飾った。2位はYART YAMAHA、3位はBMWモトラッドが続き、ヨシムラSERT Moutulは7番手まで挽回、KWTは9位で完走した。SSTクラス優勝はTECMAS MRP BMW RACING TEAMだった。
