アップサイクル製品を展示、ここに循環型社会のヒント 京都・京北「ことす」

従来廃棄されてきたものから作ったバッグや服が並ぶ会場。展示棚もシートベルト京北産材で仕上げた(京都市右京区京北・ことす)

 従来捨てられてきた物に新しい価値を加えて生まれ変わらせた「アップサイクル」の製品の収集と展示を、京都市右京区京北の京都里山SDGsラボ「ことす」が続けている。海岸に漂着したプラスチックごみから作った買い物かご、こいのぼりで仕立てた法被など約30種類を、古い木材とシートベルトで仕上げた棚に陳列し、循環型社会に向けたヒントを示している。

 ことすはSDGs(持続可能な開発目標)の発信、貢献を目指しており、物の価値を高めて循環させるアップサイクルに注目。関西の企業などから事例を集め、昨年3月に公開を始めた。今年3月下旬にはアップサイクルで完成させた棚に展示物を移した。

 工事現場に掲示する「全国労働衛生週間」などの懸垂幕は裁断、縫製し、丈夫な樹脂素材の特性を生かしたバッグに再生。競走馬の調教用ゼッケンで作ったかばん、こいのぼり製の華やかなジャケットなど、生地類のアイデアが多い。

 炊飯器の製造試験で生じる白飯を発酵させたアルコール入りのウエットティッシュ、点字新聞のでこぼこした表面にデザイン性を見いだした紙袋もある。

 ことす運営協議会に加盟する福井県鯖江市の「応用芸術研究所」が企画した。西馬晋也取締役(37)は「多彩な発想に触れ、アップサイクルに取り組む参考にしてほしい」と語る。

 無料。日、月曜と祝日休館。午前10時~午後5時(入場は同4時まで)。当面展示し、陳列品を募っている。問い合わせは、ことす075(748)1986。

© 株式会社京都新聞社