「黒い雨」でまた却下… 被爆手帳 求めて原告団 結成

原爆投下後に降った「黒い雨」を巡り、国が設けた新しい基準でも被爆手帳の申請を却下された人たちが、却下処分取り消しを求める訴えを起こすため、原告団を結成しました。

原告団を結成したのは、現在の廿日市市 吉和や広島市 安芸区などで黒い雨を浴びたと主張している70から90代の23人です。このうち16人は被爆者健康手帳の申請を却下され、7人は審査が長期化しています。

黒い雨を巡って、おととし、広島高裁は、援護区域の外で黒い雨を浴びるなどした原告全員を被爆者と認めました。

国は、この裁判の原告と同じ事情にある人を救済するとして、去年4月から新たな認定基準の運用を始めています。しかし、今回の16人は「黒い雨の降雨地域として確認できない」などの理由で却下されました。

岡久郁子 原告団長(82)
「とても高裁判決がないがしろにされていることに怒っておりまして、ここまでして、わたしたちが追い詰められなきゃいけないのか。(黒い雨が)降ったという事実があって、その近辺におったら、もう無条件に(認めるべき)」

原告団は、28日に広島地裁に提訴する予定です。

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