鹿沼信金に内閣官房表彰 御宿場印めぐり好評

表彰状と御宿場印を手にする橋本理事長

 「御宿場印」を通じて街道沿いの観光促進を図る「日光街道・日光西街道御宿場印めぐりプロジェクト」で、鹿沼相互信用金庫などは18日までに、内閣官房による表彰を受けた。鹿沼信金が関わった御宿場印の販売枚数が2万5千枚を超えたほか、街道沿いの名所を回るツアーを実施したことが評価された。鹿沼信金は「想定の倍以上の反響に驚いた。今後も派生イベントを積極的に考えたい」と手応えを感じている。

 内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局が毎年、地方創生につながる先進的な取り組みを行う金融機関を表彰。全国で28の金融機関が選ばれ、鹿沼信金は足立成和信用金庫(東京都足立区)、会津信用金庫(福島県会津若松市)と共同で表彰された。

 同プロジェクトは、足立成和信金の発案で鹿沼信金などと2021年4月に始めた。江戸時代の五街道のうち「日光街道」と「日光西街道」沿線の道の駅などでオリジナルの御宿場印を1枚300円で販売する企画で、鹿沼信金は「楡木宿」以北の九つの御宿場印の制作に出資し、デザインも手がけた。「鹿沼宿」では屋台彫刻、「奈佐原宿」では人形浄瑠璃「奈佐原文楽」といった地元の名物を描いている。

 その後、22年5月に会津信金と連携して同市につながる「会津西街道」が新たに加わり、御宿場印は日光街道・日光西街道沿いで30種、会津西街道沿いで19種を販売。日光街道・日光西街道で2万枚超、会津西街道で5千枚超を売り上げており、担当者は「御朱印集めと同様、歴史や文化好きなコレクターの間で特に評判がいい」と話す。

 こうした好評を背景に都内の人向けに県の魅力をアピールする日帰りツアーも実施。奈佐原文楽の練習風景や東武鉄道のSL大樹を見学するなどした。

 プロジェクトは23年4月現在、日本橋以南の「東海道」沿いなど全国の信金に波及している。鹿沼信金の橋本公之(はしもとたかし)理事長は「地域振興事業に一定の評価が得られて光栄。全国の信金が管内を超えて一つになるきっかけになればいい」と話した。

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