栃銀が副業解禁 5月からグループ全従業員 行員成長、本業にも生かす

 栃木銀行(黒本淳之介(くろもとじゅんのすけ)頭取)は19日、副業制度を5月1日から導入すると発表した。副業先と雇用契約を結ばない個人事業や業務受託という形態で、就業時間外に働くことを認める。

 行外の経験を通じて行員の成長を支援するとともに、新たな視点でのイノベーション創出など本業にも生かしてもらいたい考え。

 新型コロナウイルス禍で働き方の多様化が進み、国内企業で副業を解禁する動きが加速している。こうした状況や行員からの要望などを受け、同行は2022年4月から導入に向け、準備を進めてきたという。

 制度を利用できるのは、とちぎんTT証券などグループ7社のパートを含む全従業員計約2100人。想定する副業は、資格やスキルを生かした講演活動、アプリケーション開発、地域スポーツクラブや部活動の指導員などで、コンサルティングといった銀行業務と重なる競業は禁止とした。

 希望者は人事部に副業を申請し、同部が内容を精査した上で承認する。ルールを順守する誓約書も提出してもらうほか、健康面への配慮から、副業の内容や時間について定期的に確認するという。

 同部の担当者は「行員がこれまでの常識や発想を問い直し、さらなる学びへ向かう契機としたい。新サービス創出や地域貢献につながればいい」としている。

 金融庁によると、副業や兼業を認める地域金融機関は22年3月末時点で全国43機関。県内では足利銀行が同11月から導入している。

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