盲導犬の健康維持へクラウドファンディング 東日本盲導犬協会 宇都宮

盲導犬の普及推進活動を担うPR犬のシンディーと准訓練師の多賀まり子さん

 【宇都宮】福岡町の東日本盲導犬協会は、盲導犬など所有する犬の健康維持に向けた検診を充実させようと、クラウドファンディング(CF)で寄付金を募っている。目標額は450万円で、5月31日まで。事務局長の奈良部武司(ならべたけじ)さん(80)は「犬たちが長生きできるよう、皆さんの温かい支援をお願いしたい」と呼びかけている。

 同協会は、1974年から盲導犬の育成に取り組み、計305頭を視覚障害者に貸与した。適性により介助やセラピーで活躍する犬もいる。

 同協会の所有する犬の平均寿命は14、15年だが、10歳以下で亡くなる場合、その5割はがんが原因という。同協会は「検診で早期にがんを発見すれば、何らかの対応ができるのではないか」とし、本年度から定期的な健康診断に加え、5歳以上の犬にエコーやエックス線の検診を行うことにした。

 育成の8割を寄付で賄っている同協会は近年、新型コロナウイルス禍による募金収入の減少などで、財源の確保が厳しい状況という。新たな検診を加えた医療費を賄うため、CFを利用することにした。

 CFサイトの「READYFOR(レディーフォー)」で、3千~50万円の各コースで募集。コースにより「犬たちからのお礼の手紙」などの返礼品を送る。事務局の本津邦夫(もとつくにお)さん(66)は「盲導犬は(平均寿命の)14、15年のうち8年間を人のために尽くしてくれる。検診を充実し、犬たちを守ってあげたい」と話していた。

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