「ぷかぷかと沖へ…危ない」海へ流された男児救った“見ず知らず”の3人の機転=静岡・掛川市

4月2日、静岡県掛川市内の海岸で小学3年の男子児童を救助し、事故を未然に防いだとして、掛川市に住む男性3人に警察から感謝状が贈られました。3人それぞれの機転が子どもの命を救いました。

掛川警察署から感謝状を贈られたのは、古谷卓嗣さん(62)、平野勝也さん(44)、ナカムラ・ジョルジ・ルイス・ケンジさん(51)です。

3人は4月2日、掛川市国安の海岸で裸で海に入った小学3年生の男の子(8)を見て、児童の命の危険を感じ、通報や救助をして、事故を未然に防ぎました。

<掛川警察署 鈴木康弘署長>

「これは危険だとみて、早期に迅速に対応してくれたこと。本当にありがたいなと感じています」

現場は、掛川市を流れる菊川の河口でした。

<ナカムラ・ジョルジ・ルイス・ケンジさん>

「子どもは砂浜で遊んでいて、何回も堤防に来て。飛び込むんじゃないかと思ったら、飛び込んで。流れがあるので、ずーっと海まで流された」

川で釣りをしていたナカムラさんは、流される男の子をみるとすぐに警察へ通報するとともに、「110番映像通報システム」で救急隊が到着するまで、現場の状況を伝え続けました。

<ナカムラさん>

「カメラを使いたいという話で、話しながら状況と場所とずっと動画で(伝えた)。自分の状況と子どもの状況と、自分がいる位置を見せながら教えて」

静岡県警が運用する「110番映像通報システム」は4月から本運用がスタートしました。

現場で通報した際、通信指令室の依頼があるとスマホにURLが届きます。通報者はURLをタップすれば、現場の映像や画像を送れるようになります。ナカムラさんは、本運用が開始してから初めての活用となりました。

川に飛び込んだ男の子は流され、海へ。ナカムラさんが通信指令課とやり取りする一方、海に流されてきた男の子を発見したのが、サーフィンを楽しんでいた古谷さんと平野さんでした。

<古谷卓嗣さん>

「子どもがぷかぷか浮いてきたみたいな感じ。飛びながら跳ねながら沖に沖に来る。これは危ないんじゃないかと、隣にいた平野さんに『どうでしょうか』と声を掛けた」

当時は児童の胸の高さまで、潮が満ちていたといいます。これ以上、沖へ流されては危険と判断しました。

<平野勝也さん>

「(子どもの)脇を2人で両サイドから抱えて、波打ち際まで連れてきたという感じです」

救助後、到着した救急隊に児童を引き渡しました。3人とも掛川市民ですが知り合いではなく、通報も救助も、それぞれの現場の判断で行ったということです。

<平野さん>

「自分も同じくらいの子どもがいるので。あのまま放っておいたら流されたと思うので、助けてよかったと思います」

© 静岡放送株式会社