今季初勝利を狙うロバンペラ、シェイクダウンで最速タイム。勝田貴元5番手/WRCクロアチア

 4月20日から23日にかけて、ヨーロッパ南東部に位置するクロアチアで開催されるWRC世界ラリー選手権第3戦クロアチア・ラリー。大会初日の20日(木)はシェイクダウンが行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が最速タイムをマークした。日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は5番手タイムを記録している。

 誰にとっても青天の霹靂だったクレイグ・ブリーンの事故。そして彼の早すぎる死によって多くの人々が悲しみに暮れるなかで迎えた今季第4戦クロアチア。初日に行われる競技前ののシェイクダウンは現地9時より、サービスパークが置かれている首都ザグレブの西に設定された全長3.65kmのショートステージ“オキッチ”で実施された。

 2023年シーズン初のフルターマック(舗装路)ラリーに向けたテストセッションに臨んだ、現シリーズチャンピオンであるロバンペラは前年優勝の地で好発進をみせた。ドライバー選手権3位につけているフィンランド人は、1走目に1分55秒7を記録したのち計2回の走行でタイムを縮め、最終的に1分52秒8のファステストタイムをマークしている。

 これに続いたのは、昨年のクロアチアでロバンペラと優勝を争ったオット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1)と、すでにシーズン2勝を挙げ“パートタイム・ドライバー”でありながらドライバー選手権をリードしているセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)のふたりで、ともに“フライング・フィン”から0.8秒遅れた。

 ふたりのチャンピオンのコンマ6秒後方には、ブリーンを追悼するスペシャルカラーとなったヒョンデi20 Nラリー1を駆るエサペッカ・ラッピが続き、4台目のGRヤリスに乗り込んだ勝田が5番手に。勝田とロバンペラのタイム差は1.9秒だ。

 開幕3戦すべてで表彰台を獲得しているティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)は1分54秒9で6番手に。そこからコンマ4秒のプラスとなったピエール・ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1)が7番手につけ、8番手にはWRC2クラストップとなったエリック・カイス(シュコダ・ファビアRSラリー2)がつけた。9番手は同じくファビアを駆るオリバー・ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2)、10番手ヨアン・ロッセル(シトロエンC3ラリー2)というトップ10オーダーになっている。

 なお、TGR WRTのエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)は最初の走行でマシントラブルに見舞われた。大会直前にマニュファクチャラーポイントの対象外となったウェールズ人はスロー走行で1回目のランを走りきったが、以降はこれ以上のダメージを防ぐためマシンを停めている。

オット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1) 2023年WRC第4戦クロアチア・ラリー
ティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1) 2023年WRC第4戦クロアチア・ラリー
セバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第4戦クロアチア・ラリー

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