元ウイリアムズF1副代表、脊髄損傷を負った人を支援する『フランク・ウイリアムズ・アカデミー』設立を目指す

 元ウイリアムズF1の副代表クレア・ウイリアムズは、脊髄損傷を負った人々を支援する『フランク・ウイリアムズ・アカデミー(FWA)』設立のため資金調達の取り組みを開始した。

 クレア・ウイリアムズは、アカデミー立ち上げの序盤の期間に向け150万ポンド(約2億5100万円)を調達する訴えの先頭に立っている。FWAは、伝説的なF1チームオーナーのフランク・ウイリアムズと同様に、脊髄損傷によって生活に大きな影響を受けている人々をサポートするだけでなく、医療専門家の教育とトレーニング支援も行い、安全で適切なケアの提供を目指す。

 アカデミーに先立って活動を行っているSIA脊髄損傷協会(Spinal Injuries Association)は、1986年にフランク・ウイリアムズが人生を一変させる自動車事故に遭って以降、彼を支援し、ウイリアムズの公式チャリティパートナーとなっている。2016年以来SIAの副会長を務めているクレア・ウイリアムズは、脊髄損傷を負った人々の人生を変えるようなケアを提供しつつ、父親の傑出したレガシーと業績を称えるためにアカデミーを設立した。

「私の父は大変に並外れた人生を送りました。F1史上最も成功したチーム代表のひとりであっただけでなく、その業績の大部分を四肢麻痺患者として車椅子から達成したのです」とクレア・ウイリアムズは語った。

「この逆境に直面した彼の不屈の精神は、彼が生前にたくさんの人々に刺激を与えた多くのことのひとつにすぎません」

「彼の死後、私はそのレガシーを継続するために何かしたいと考えていましたが、フランク・ウイリアムズ・アカデミー以上にふさわしい賛辞はなかったでしょう」

「アカデミーが行う仕事は、SIAが私の父にしてくれたように、脊髄損傷を負った人たちの人生を変える可能性のあるケアを提供することになるでしょう。そうしたサポートがあれば、可能性は無限になります」

事故により車いすの生活となりながら、F1チームを率いてきたサー・フランク・ウイリアムズ

 FWAは、クレア・ウイリアムズ、SIAの後援者であるアン王女、SIAのCEOを務めるニック・ハートレー、現在ウイリアムズのチーム代表を務めるジェイムズ・ボウルズ、理事会メンバーのマシュー・サベージとジェームズ・マシューズが出席した、ロンドンのホーア・メモリアルホールでの開催イベントで正式に始動した。

 来週末のF1第4戦アゼルバイジャンGPではウイリアムズ・レーシングのアレクサンダー・アルボンとローガン・サージェントの両マシンに、フランク・ウイリアムズ・アカデミーのロゴがあしらわれる。

「フランク・ウイリアムズ・アカデミーの立ち上げをサポートできることをうれしく思う」とウイリアムズ・レーシング会長のサベージは語った。

「サー・フランクの生涯を称えるために、基本的な教育、ケア、そして脊髄損傷を負った人々の人生を変える支援を提供するというのは本当に特別なことだ。ウイリアムズ・レーシングの全員が、アカデミーの発展を支援することを楽しみにしている」

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