JR静岡駅ビル「パルシェ」ではいま、ネオン管を使ったアートイベントが開かれています。実は今、レトロなネオンに魅せられる若者が急増中なんです。
<若者>
「ネオン好きです」
今回のしずおか産は、いま話題の「ネオンアート」です。
企画したのは、静岡市にあるアオイネオン。ネオンサインや看板のデザイン、設計、製作、施工までを行う創業72年の老舗です。かつては、ネオン管でしたが、今はLEDで渋谷109など、全国各地の広告看板を手掛けいます。
<アオイネオン事業企画部 荻野隆さん>
「ここにあるのは、昔ながらのガラスでできたネオン管です」
Q.静岡っぽいものもありますね?!
「富士山があったり、サッカーチームのものがあったり」
Q.ネオン管はどういう仕組み?
「ガラス管の中にガスを封入して電極から放電させることで、中でガスと電子がぶつかって、そのエネルギーが光としてみえる」
一方、ネオン管はLEDの普及でその姿を消しつつあります。
<アオイネオン 荻野隆さん>
「もう看板としては、使われなくなったネオンですが、エンターテイメントやアートの世界ならまだまだ再生できるのではないかと思って、いま力を入れています」
ネオンの楽しみ方を聞きました。
<アオイネオン 荻野隆さん>
「例えば、このスニーカーのネオンアートの場合、靴ひものところを見ていただきたい。一本のネオン管を一筆書きで曲げて作っている。正面から見るとスニーカーのイラストなんですが、実は3次元で作っている」
ネオン職人の横山幸宜さんです。全国的にも職人は50人ほどしかいないそうです。作業を見せてもらいました。今回は、アルファベットの「T」の文字を作ります。
<アオイネオン 荻野隆さん>
「いま800℃位の温度でガラス管を曲げています。曲げる時に、ガラス管がつぶれないように口で息を吹き込んでいます。二次元を三次元に変換する特別な能力がないとネオン管って作れない」
<アオイネオン製造部 ネオンマイスター 横山幸宜さん>
Q.特別な能力をお持ち?
「なのかなあ」
さらに、電極を取り付け、ネオン管の中を真空状態にし、ガスを封入して完成です。
<アオイネオン 荻野隆さん>
「いまガスが入りました。つきました。これで完成ですね」
<アオイネオン 横山幸宜さん>
「魅力はやっぱりLEDと違った温かみのある光でしょうか。そういうところがいいと思います」
ネオンの新しい魅力を発信したい。さまざまなアーティストとコラボしたネオンアートを作りました。
<アオイネオン 荻野隆さん>
「こちらは、ネオンのテーブルになるんですけど、家具としてネオンをうまく使えないかという発想から生まれました。ガラスのコップを置くとコップの中にネオンが映りこんで映える絵になります。デザイナーさんがこういうものを形にしたいということで、ご依頼いただきまして、おもちゃ箱をイメージした。カラフルですね」
こんなモノも。
<アオイネオン 荻野隆さん>
「ハザマというファッションブランドで使用したネオンの玉座です。実際にモデルさんが椅子に座って写真を撮ったりして使われました」
さらに、自宅でネオンを気軽に楽しんでもらおうと、「宅ネオン」という新しい試みも始めました。自分のイメージを伝えてオーダーメイドで製作してくれます。実際に自分で描いたキャラクターをオーダーした学生に出会いました。
<静岡デザイン専門学校2年生 ゆねみさん>
「最近、看板としてネオンなくなってきたいるので、なくなってきているものをアートとして復活していけたらすごいいいなと思います」
若い人にその思いは伝わっています。
<アオイネオン 荻野隆さん>
「実際はまだまだネオンは毎年右肩下がりで需要は減っている状況ですので、ぜひ皆さん自宅でネオン浴をする文化を応援していただいて、未来にネオンとネオンを作る技術も残していければと思う」