【佐伯】佐伯市鶴望の三浦造船所(三浦唯秀社長)で建造されたフェリー「新台馬(NEW TAIMA)」が16日、台湾で就航した。海外向けのフェリーは2隻目で、同社が手がけたフェリーとしては過去最大。同日、蔡英文総統と政府高官らも出席した記念セレモニーが開かれ、航海の安全を祈った。
新台馬は重量5341トン、全長101.5メートル、幅16メートルで最大速力21ノット。旅客定員642人、乗用車45台を搭載できる。台湾海峡の西北西、中国大陸からわずか30キロほどに位置する連江県の馬祖列島と、台湾本土を結ぶルートを航行する。
三浦造船所は高い技術力で旅客フェリーやタンカー、貨物船などを年間に10隻前後建造する。フェリーは北海道や沖縄、新潟県などで就航。海外向けは1977年に台湾の自治体から発注されて以来となる。
連江県からは豊富な実績を評価され、昨年5月に建造に着手。8月に進水式を迎え、今年の3月上旬に引き渡しを終えていた。
500人以上が出席したセレモニーには三浦社長(61)も招待された。オープニングイベントの後、船の概要説明があり、蔡総統らが祝いの言葉。三浦社長が同県にモデルシップを寄贈し、出席者の代表がテープカットをした。
三浦社長は「日本と同様に海に囲まれた台湾のリーダーが出席し、海運・造船業を重要視する姿勢を感じた。船が人々の生活に役立ち、日台友好の一助になればうれしい」と話した。