「ようやく進み出したよ」 海星高2自殺、両親が現場訪れ献花

生徒が亡くなった場所に献花し手を合わせた両親=長崎市内

 長崎市の私立海星高2年の男子生徒=当時(16)=が自殺して6年となった20日、両親が同市本河内1丁目の自殺現場を訪れ、献花した。昨年、学校側に損害賠償を求め提訴した母親(51)は「(裁判にこぎ着け)『ようやく進み出したよ』と息子に報告した」と話した。
 両親は「明るく出発しよう」という思いを込め、黄色いガーベラなどの花束を手向けた。生徒は生きていれば大学を卒業し、社会人になる年だったとして、遺影の隣にネクタイを並べた。父親(55)は「(裁判で)必ずよい結果を出して報告したい。社会全体で子どもを支えていけるような環境を整備していく必要がある」と話した。
 生徒の自殺を巡っては、学校設置の第三者委員会が「いじめが主たる要因」と結論付けた報告書を2018年11月に作成したが、学校側は自殺といじめの因果関係を否定。現在も報告書を受け取っていない。両親は昨年11月、自殺は学校側がいじめの対策を怠ったためなどとして、同校を運営する学校法人に約3200万円の損害賠償を求め長崎地裁に提訴した。

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