家光の命日、法要厳かに 日光山輪王寺・大猷院

4年ぶりに参列者を招いて行われた法要

 【日光】徳川(とくがわ)3代将軍家光(いえみつ)の命日に当たる20日、家光を祭る山内の日光山輪王寺の国宝「大猷院(たいゆういん)」で、「大猷院殿御祥忌(ごしょうき)法要」が営まれた。

 家光は1651年に将軍職のまま48歳で亡くなり、今年で373回忌に当たる。遺言により同所の大黒山に葬られ、1年2カ月後に大猷院が完成した。

 新型コロナウイルスの影響でここ3年間は参列者なしで実施してきたが、この日は4年ぶりに家臣の子孫や関係者など約20人を招いた。厳かな雰囲気の中、輪王寺一山の僧侶たちが、密教の「胎蔵界曼荼羅供(たいぞうかいまんだらく)法要」を執り行い、家光の遺徳をしのんだ。

 輪王寺の石塚慈雄(いしづかじゆう)門跡は「日光山の中でも最大の法要。雰囲気が良く心が落ち着く場所なので、大猷院に思いをはせてもらえれば」とあいさつ。法要後、参列者らは墓所を訪れて手を合わせた。

 参列した徳川宗家19代目当主の徳川家広(いえひろ)さん(58)は「命日にお参りするのは初めて。今年から当主を引き継ぎ、務めを果たすことができた」と話した。

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