漫画家が描く子育てのコツ「悩んでる人役立てて」参考にした米国の心理療法とは

漫画家の大久保さん(前列中央)たちが子育てのこつをまとめた冊子「マンガで学ぶハッピー子育てトレーニング」=宇治田原町立川・地域子育て支援センター

 京都府宇治田原町在住の漫画家と町子育て支援課が、子育てのこつをまとめた冊子「マンガで学ぶハッピー子育てトレーニング」を作った。子どもを褒めたり叱ったりする時の言葉選びのポイントなど、親子間のコミュニケーションのノウハウを盛り込んだ。

 冊子は、町主催の講座「ハッピー子育てトレーニング(はぴとれ)」の内容をまとめた。はぴとれは2015年度から年に1回、未就学児の保護者を対象に開いてきた。米国の心理療法「ペアレント・トレーニング」を学ぶ内容で、これまでに約30人が受講した。

 冊子では、子どもに取り組んでほしい課題や活動について、親は具体的に時間や回数を示して子どもに伝えるようアドバイスする。子どもが成功体験を重ねて自信につながるよう、行動の見守り方や言葉のかけ方も解説している。

 漫画は2児の子育て中で、はぴとれを受講した大久保裕子さん(38)=同町=が描いた。大久保さんは「同じように子育てに悩んでいる人たちが手に取り、役に立ててもらえたらうれしい」と話す。

 発行を記念し、冊子を監修した関西学院大文学部総合心理科学科の米山直樹教授が地域子育て支援センターで講演した。米山教授は「子どもの苦手を克服するより、得意を伸ばす言葉をかけることが大切」と呼びかけた。

 冊子はA5判19ページ。町役場などで無料配布している。

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