広島県は、世界各国の核軍縮をめぐる状況を点数で評価する「ひろしまレポート」を発表しました。ロシアのウクライナ侵攻で「核軍縮の進展はほとんど見られなかった」と懸念を示しています。
ひろしまレポートは、2022年の各国の核軍縮や核不拡散への取り組みを点数化したもので、広島県が研究機関に委託して毎年、作成しています。
今回は世界34か国の情勢をまとめました。
ロシアによるウクライナ侵攻は、核軍縮をめぐる世界の情勢を悪化させたため、「世界の核軍縮の進展はほとんど見られなかった」としています。
「ひろしまレポート」に関わった 阿部信泰 元国連事務次長(軍縮担当)は、「去年は逆行する動きがたくさんあった。核軍縮・核不拡散・核セキュリティの状況が著しく悪化した年だった」と話しました。
また、世界の核兵器の総数は1万2705発で減少傾向にあるものの、核軍縮の動きが停滞しているため、今後は増加する可能性もあると指摘しています。
ひろしまレポートは、国連や各国の大使館などに送るほか、5月の広島サミットでも海外メディアなどに紹介し、核廃絶の機運を高めたいとしています。