杜氏とガラス作家がグラス共作 味わい高めるデザイン

第1弾でコラボレーションした岩瀬さん(左)と菊地さん

 まちづくり会社「TOYAMATO」と富山ガラス工房は、富山県内の酒蔵の杜氏(とうじ)とガラス作家が協働して開発した日本酒グラスを販売する。県酒造組合加盟の18酒蔵ごとにオリジナルグラスを作る。第1弾は5月から販売で、黒部市の皇国晴酒造の岩瀬由香里さん(46)と同工房所属の菊地大護さん(25)がコラボレーション。21日は、富山市明輪町の日本酒バル「バール・デ・美富味」でグラスがお披露目された。

 今回完成したグラスは2種類で、どちらも皇国晴酒造の「幻の瀧 純米スパークリング クラウディ」のためだけに作られた。

 一つ目は、グラスの口が狭く、カップの底が広い形が特徴で高さは約8センチ。グラスの口を狭めることで日本酒の香りがこもり、口に含んだ際に舌の奥の方で香りが広がる。グラスの脚部分を指すステムが長い二つ目は高さ約10センチ。グラスの口が広いため飲む前から香りが感じられ、口の中全体に香りがマイルドに広がる。

 菊地さんは製作前にこの日本酒を飲み、「とても飲みやすく、女性が美しい所作で飲む姿がイメージできた」と言う。どちらのカップにもステムを付け、持った際に品が感じられるデザインにした。岩瀬さんは完成したグラスで日本酒を飲むと「同じお酒でもグラスの形の違いで香りが入るタイミングや広がり方が変わった」と話す。

 このグラスは5月15日からバール・デ・美富味で提供する。今回作った2種類のグラスで飲み比べできるほか、日本酒とセットで購入することもできる。価格は未定。岩瀬さんは「2種類のグラスで日本酒の味わいが変化する体験を楽しんでほしい」と話した。

「幻の瀧 純米スパークリング クラウディ」のためだけに作られた2種類の日本酒グラス

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