【竹田】竹田市久住町栢木の児玉夏生さん(72)は精巧な木彫り作品を制作し、自宅1階の一室をギャラリーにして公開している。約20年前から趣味で始め、全国健康福祉祭(ねんりんピック)での最優秀賞など5度の受賞歴を持つ。県道に面して外側から見られるギャラリーは夜間、ライトアップし、地域の話題となっている。
児玉さんは旧久住町職員時代に木工を始め、知人から「丸太の切れ端を使わないか」と勧められて木彫りに取り組むようになった。
使用するのは直径50センチほどのスギやヒノキなど。チェーンソーで荒削りした後、のみで彫り、表面は研磨用電動工具や紙やすりで滑らかに仕上げる。完成まで1~4カ月かかるという。
これまで手がけたのは約40点。以前の愛車がモデルのバイクはハンドルやマフラーなど細部まで作り込み、ゴルフの松山英樹はショットを打つ際のひねった体のラインにこだわった。翼を広げたイヌワシは羽を薄くするのに苦労。色付けもした最新作の元横綱・貴乃花は、顔の特徴を捉えたり化粧まわしを作るのに時間を要した。
ギャラリーは義父が営んだ元食料品・電気店のスペースを活用し、2019年にオープン。木彫りの他、発光ダイオード(LED)で電飾した500分の1サイズの東京スカイツリーなども展示し、見る人を楽しませている。
児玉さんは「次は神楽面に挑戦する。通りがかりに立ち寄ってもらえたらうれしい」と話した。