小さく生まれた子のための成長記録手帳「ふくいリトルベビーハンドブック」完成 極低出生体重児の家族に病院などで配布

「ふくいリトルベビーハンドブック」を手に取り、完成を祝う「カンガルークラブ」のメンバーら=4月16日、福井県鯖江市内

 福井県が作成していた、早産などで小さく生まれた子どもの成長を記録する専用手帳「ふくいリトルベビーハンドブック」が完成し、県内の低出生体重児(2500グラム未満)の母親でつくる「カンガルークラブ福井」は4月16日、鯖江市内でお披露目会を開いた。

 極低出生体重児(1500グラム未満)の場合、身長や体重などの成長や運動機能の発達が遅いケースが多く、月齢ごとに寝返りやはいはいなどの成長、発達をチェックする母子手帳は使用しづらいという。

 同ハンドブックでは月齢単位ではなく、成長や発達の記録を動作ごとに記載できる。低出生体重児を育てた母親らからのメッセージや、病院スタッフと家族の交換日記ページなども設けた。

 お披露目会にはメンバーら約10人が参加した。共同代表の北川里実さん(越前市)は「私たちのメッセージもたくさん掲載されていて、読んでもらえれば不安の中でも心を照らす“道しるべ”になると思う。クラブとして多くの当事者を支えていきたい」と話した。

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 県では昨年度、同クラブや医療関係者、市町の母子保健担当課の意見を交え、ハンドブック500部を作成。今年4月から総合周産期母子医療センターなどに指定されている県内7病院などで極低出生体重児の家族に配布。希望があれば低出生体重児の家族にも渡す。

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