「ハムレット」「マクベス」シェークスピア題材の絵画ずらり 京都で企画展

シェイクスピアの文学を題材にした安野さんの作品が並ぶ会場(京都府京丹後市久美浜町・森の中の家)

 京都府京丹後市久美浜町の美術館「森の中の家 安野光雅館」で、企画展「繪(え)本 シェイクスピア劇場」が開かれている。2020年に亡くなった画家安野光雅さんが、英国の劇作家で詩人ウィリアム・シェークスピア(1564~1616年)の文学作品を題材に、独自の温かみのある筆致で丁寧に描いた絵画42点を紹介している。

 安野さんが70~72歳の頃に手がけた作品で、「ハムレット」「マクベス」「オセロー」「リア王」の「四大悲劇」など名作の一場面を再現している。

 「ハムレット」では、主人公でデンマークの王子ハムレットが、父親で先代の王を殺害後、母親と結婚して王位を継いだ叔父に報復しようと、城内で叔父の様子をうかがう場面が細かな表情や動きで表現されている。

 「四大悲劇」のほか、恋人アントニーの最期をみとる古代エジプト女王クレオパトラを表現した「アントニーとクレオパトラ」などの作品もある。

 伴とし子副館長は「生と死、愛と憎しみ、出会いと別れといった人間の普遍的なテーマを描いた詩劇を、文学的素養と洞察力で丁寧に描き上げている」と話している。6月5日まで。火曜日休館。要入館料。同館0772(84)9901。

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