北斎、広重…浮世絵師の肉筆が間近に 長崎歴文博で展覧会

内覧会で美術史家、鈴木浩平さんの解説に聞き入る参列者ら=長崎市、長崎歴史文化博物館

 長崎市立山1丁目の長崎歴史文化博物館で22日、江戸時代の浮世絵師が筆で直接描いた、肉筆浮世絵111点を並べた展覧会「光ミュージアム所蔵 美を競う肉筆浮世絵の世界」(同館主催、長崎新聞社など後援)が開幕した。
 浮世絵は版画のイメージが強いが、肉筆浮世絵は版画と違い、他に同一作品がない点で貴重。同展は光ミュージアム(岐阜県高山市)のコレクション約420点から、美人画を中心に江戸中期から明治時代にかけての作品を展示している。
 鑑賞者が肉筆の筆致などを至近距離で観察できるように、掛け軸を額装して展示しているのが特徴。葛飾北斎、歌川広重といった代表的な絵師や主要な流派の作品を時系列順に並べたのに加え、京、大坂、九州などで活躍した絵師の作品の特集もあり多彩な内容となっている。
 21日に開会式があり、その後の内覧会では、同展の監修に当たった美術史家の鈴木浩平さんが解説。参列者らが熱心に作品を鑑賞していた。鈴木さんは取材に対し「肉筆の作品を鑑賞者が間近に見られる点が見どころ。それぞれの時代に描かれた美人画の変化も見てほしい」と話した。
 観覧料は大学生以上千円、高校生以下無料。6月11日まで。

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