身に染みた「母の小言」 小山の元教師が20年ぶりエッセー集出版

著作を手にする伊藤洋子(ペンネーム秋野沙夜子)さん

 【小山】西城南6丁目のカウンセラーで元教師の伊藤洋子(いとうようこ)=ペンネーム秋野沙夜子(あきのさよこ)=さん(81)は、これまでに書きためたエッセー10本と短歌50首をまとめた書籍「母の小言」をコールサック社(東京)から出版した。
 伊藤さんは東京・浅草生まれ。千葉、茨城県内への疎開を経て小山に移り住み、県南の小中学校で社会科教師として教壇に立った。カルチャースクールの受講を機に定年後、本格的にエッセーと短歌を始めた。2003、04年にもエッセー集を出版しており、今回は約20年ぶり3冊目の著作となる。
 タイトルとなったエッセー「母の小言」は子供の頃、迷信と思って半ば聞き流していた母親の言葉が、後になってみると一理あることばかりだったという内容。このほか終戦直後のエピソードや、新型コロナウイルス禍に対する思いなどを軽妙な筆致で表したエッセーを収録している。
 短歌はやはり幼少期の思い出のほか、日々の出来事、平和への願いなどを直感的に、時に皮肉も交えて表現した。
 伊藤さんは「日常生活の中で起こった思いを書いた拙い作品ですが、楽しんでいただければ幸せです」としている。四六判、96ページ、1650円。(問)同社03.5944.3258。

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