女性躍進、風途切れず 宇都宮で横須賀氏当選 県内最年少25歳1ヶ月

初当選し、支持者と握手する横須賀咲紀氏=23日午後11時20分、宇都宮市東塙田1丁目

 統一地方選の後半戦が23日、幕を下ろした。各市議選では栃木県議選に続いて女性が躍進。宇都宮市では25歳の最年少の女性議員が誕生し、足利市では女性候補者全員が当選を果たした。日本維新の会と参政党は公認全員が当選するなど、新たな風も吹き込んだ。一方、市町議選全体の投票率は過去最低だった前回をさらに下回り、有権者の関心は高まりを欠いたままだった。

 宇都宮市議選では、今回の統一地方選で県内最年少の25歳1カ月の立憲民主党新人横須賀咲紀(よこすかさき)氏が初当選を決めた。当確の一報に横須賀氏は「ご支援ありがとうございました」と目元をうるませ、何度も頭を下げた。

 同市議会としても1947年4月の第1回統一地方選で25歳3カ月の候補者が当選して以来、最年少記録を更新した。選挙戦では若さを前面に出し、地元同級生や若者らと草の根の運動を展開。交流サイト(SNS)も駆使し同世代にアピールした。同党県議、連合栃木などの支援も受け票を固めた。支持者を前に、横須賀氏は「仕事で実績を残し期待にこたえていきたい」と決意を語った。

 小山市議選でも25歳5カ月の無所属新人島朋幸(しまともゆき)氏が初当選を決めた。島氏は支持者を前に「若いからこそどの市議よりもフットワークが軽く、身近な存在として取り組みたい」と抱負を述べた。

 矢板市議選は1971年以降で最多の女性5人が立候補し、4人が当選。4位で初陣を飾った無所属新人の榊真衣子(さかきまいこ)氏(36)は午後10時15分、事務所に集まった支持者らとバンザイして喜びを分かち合った。

 6年前に移住し地縁血縁に頼れない中、2人の娘の子育てと仕事をこなしながら「家の中で一人で頑張っている人の代弁者になりたい」と訴えてきた。今後について「4年間の実績づくりにこだわらず、矢板の何十年後か先のことを考えてやっていきたい」と抱負を語った。

 現行定数となってから最多の9人の女性が立候補した足利市議選は、自民現職の中島真弓(なかじままゆみ)氏(37)がトップで再選した。同市議選で女性がトップ当選するのは初めてで、9人全員が当選を果たした。

 選挙事務所にトップ当選の知らせが入ると、目に涙を浮かべながら「1票の重みをしっかり感じ、期待に応えられるよう一生懸命活動する」とあいさつした。

 市議だった母親の死去などに伴う2017年の市議補選に31歳で挑戦し、初当選。19年の前回は3位だった。看護師として働きながら子育てをした経験を武器に、子育て環境や医療介護福祉の充実を訴えてきた。

 真岡市議選ではお笑い芸人上原(うえはら)チョーとして活動する無所属新人の上原亮(りょう)氏(41)が初当選を飾った。

 上原氏は立候補を決意してから約2週間という短い準備期間の中、地域活性化の活動でつながりがあった那須烏山市の「横枕青年団」のメンバーらに支えられ、堂々のトップ当選。「みんなありがトゥー」と持ちギャグを絡めつつ、「笑顔で人を幸せにしたくて芸人になった。議員としても同じ思いを貫き、夢や希望を持てる地域にしたい」と表情を引き締めた。

当選し、支持者と抱き合って喜ぶ中島真弓氏=23日午後11時30分、足利市旭町
初当選を決め、母ミサトさんとポーズを取る上原亮氏(中央)=23日午後10時半、真岡市並木町4丁目

© 株式会社下野新聞社