恐竜時代の福井を実物大恐竜ロボとジオラマで再現 福井県立恐竜博物館企画展、5月14日まで福井市の県産業会館 発掘体験も

恐竜時代の福井を再現したエリアに展示された骨格標本とロボット=4月21日、福井県福井市の県産業会館

 福井県福井市の県産業会館で4月21日始まった福井県立恐竜博物館(勝山市)の企画展「THE恐竜in福井~恐竜博物館を飛び出した恐竜たち」は、実物大ロボットの恐竜たちが目の前に現れる。中でも恐竜の時代の福井を再現したゾーンでは、フクイベナートルやフクイラプトルなど5体が共演し、多くの来場者が見入っていた。

 県産業会館1号館は六つのゾーンに分かれ、福井の恐竜はゾーン4。これまでの発掘調査で分かってきた約1億2千万年前の福井を、ロボットと周辺環境のジオラマで再現した。全長約9メートルのフクイティタンのロボットをはじめ、大小の恐竜が集まって首や手、胴体を動かす姿は迫力満点だ。

 兵庫県から家族旅行で訪れた男の子(5)は、初めは恐る恐る距離をとっていたが、徐々に近づいてじっと眺めた。一つ一つ恐竜を指さして「これも、これも、大好き」。父親は(29)は「博物館は休館中で残念だったが、ここに来られてよかった」と目を細めた。

 フクイベナートルの化石に羽毛の痕跡はないが、ロボットには羽毛がある。これは、近い系統の恐竜化石に羽毛の痕跡が見つかっているためだという。それぞれのロボットと関連する骨格標本も展示され、見比べて楽しめる。

 1号館は「恐竜とは何か」の解説から始まり、「恐竜研究の始まり」、「県内の恐竜発掘」と、徐々に知識を深められる。福井の恐竜や「鳥への進化」のゾーンを経て、アジアの恐竜を取り上げた最後のゾーン6にはティラノサウルスの実物大ロボットが待つ。全長約12メートルの威容でほえる姿を、多くの家族連れが見上げていた。

 このほか、本館ではゴールデンウイークを中心に研究員の無料講演会を開催。2号館ではタイの発掘現場の石を使った発掘体験(小学生以上対象、1200円)などが楽しめる。

 5月14日までで、日時指定の観覧チケットを県立恐竜博物館ホームページから事前購入できるほか、会場で当日券も買える。一般千円(土日祝日と5月1、2日は1500円)、小中高生700円(同千円)。問い合わせは同館=電話0779(88)0001。

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