プレナス、宇佐市でコメ生産 オーストラリアの「やよい軒」向けに輸出【大分県】

農業参入の表明書を持つ佐々木哲也室長(左)と是永修治市長=宇佐市役所

 【宇佐】国内外に弁当店「ほっともっと」や定食店「やよい軒」を展開するプレナス(本社・東京都)は5月から、宇佐市上高家の農地16ヘクタールでコメの生産を始める。省力栽培で今年は68トンを収穫し、全てオーストラリアにあるやよい軒6店舗向けに輸出する計画。メニュー用のコメ作りは埼玉、山形両県に続き3カ所目という。

 プレナスによると、福岡県に同社の精米センターの一つがあることなどから九州で農地を探していた。2年前に大分県に相談し、宇佐市を視察。まとまった農地を確保できることから参入を決めた。

 田んぼは高齢化で解散する農事組合法人から借り、水を入れる前に種をまく乾田直播(かんでんじかまき)方式を採用。「ヒノヒカリ」「にこまる」の2品種を育てる。ドローンで肥料や農薬を散布し、トラクターは自動化。スマートフォンで水を管理するシステムを一部で導入する。

 当面は社員3人と法人から雇用したパート1人で取り組む。

 市役所で農業参入の表明式が3月にあり、同社アグリビジネス推進室の佐々木哲也室長(46)が表明書を是永修治市長に手渡した。

 是永市長は「市内産のコメを海外で食べてもらえるよう、全面的にサポートしていく」。佐々木室長は「宇佐市で栽培することで品質や価格の安定性を確保し、コストを削減できる。今後、栽培面積を広げ、雇用拡大や研修の受け入れもしていきたい」と話した。

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