築180年の作業場、フリースペースに改装 杵築市の建具店「住民が集う場に」【大分県】

建具店の作業場を改装し、フリースペース「木の香り」をオープンした岩尾孝子さん=杵築市杵築
作業場を改装し、フリースペースに生まれ変わった。各種イベントやサロン、コワーキングスペースなどとして利用できる
チョビコ通り市を主催するきつきチョビコのメンバー
きつきチョビコ通り市を告知するチラシ

 【杵築】杵築市杵築の建具店の築180年を超える作業場が、モダンなフリースペースとして生まれ変わった。木製建具のすがすがしさをイメージした名称は「木の香り~モクノカヲリ~」。オーナーの岩尾孝子さん(54)=同市杵築=は「地域の子どもや高齢者が集う空間にしていきたい」と期待を膨らませている。

 夫の律良(ただよし)さん(56)は富坂にある建具店・岩尾製作所の3代目。機械化により職人の作業場だった建物が空き店舗となり、有効利用するため改装した。

 イベントや展示会、サロンなどに使えるフリースペースと、畳敷きの和室を併設している。使い方は自由で、「にぎわいを生み出す場所」を目指している。

 孝子さんによると、当初は別の業態での活用を検討していた。近くでシェアスペース「柳家」を営み、にぎわいを創出している小倉倫子さん(49)=同市杵築=の姿に感銘を受け、住民が集えるフリースペースの開業を決めた。

 ゆくゆくは子ども食堂や高齢者サロンなど、幅広い世代の交流拠点へと発展させることも視野に入れる。「店名の由来でもある木製建具の香りを感じながらくつろいだり、話したりしてもらいたい。少しでも地域を盛り上げられたらうれしい」

 利用方法や料金などに関する問い合わせは、同店インスタグラムのダイレクトメールか岩尾孝子さん(090.9599.8980)。

■29、30日にイベント 15事業者が出店

 木の香り~モクノカヲリ~のオープンを記念した「きつきチョビコ通り市」が29、30の両日、杵築市杵築の富坂周辺で開かれる。

 女性経営者でつくる「きつきチョビコ」(山下彩代表)の主催。木の香り、柳家、玄花など5店舗を会場とし、15の事業者が出店。ワークショップや子ども食堂、各種イベントを実施する。

 主催者は「たくさんの人に訪れてもらい、地域がにぎわうきっかけにしたい。城下町の風情を楽しんでほしい」と呼びかけている。

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