市長選投票率、長崎は戦後最低を更新 佐世保は前回を上回る

長崎、佐世保市長選の投票率推移

 16年ぶりにトップが変わる選挙戦となった長崎、佐世保両市長選。しかし投票率は、長崎が戦後最低を更新し、佐世保は前回をわずかに上回ったものの、戦後2番目に低く、盛り上がったとは言いがたい。
 新人4人が争った長崎市長選の投票率は47.18%。現職と新人3人が立候補し、戦後初めて50%を割った4年前より0.15ポイント低かった。1979年の78.27%から下降の一途をたどっている。
 西九州新幹線の開業など「100年に1度の変革」が進む一方で、人口減少や基幹産業の低迷など課題が山積する県都。だが有権者の半数以上が、新たなかじ取り役を選ぶ意思表示をしなかった。市議選は40議席を57人が争う大混戦だったが、投票率を押し上げる要因にはならなかった。
 新人同士の三つどもえとなった佐世保市長選の投票率は52.88%。現職が新人との一騎打ちに圧勝した4年前と比べ、2.77ポイント上昇した。2003年以降60%台で推移していたが、15年の無投票をへて、4年前に50.11%まで落ち込んだ。16年ぶりのリーダー交代となったが、大きな投票率アップには至らなかった。
 自民県連が推薦する前市議と、知事との連携をアピールする前県議が事実上対決する構図だったが、子育て政策や懸案の石木ダム、カジノを含む統合型リゾート(IR)の整備計画などを巡り、各候補の主張が重なる部分が多く、争点化しにくかったことも要因とみられる。

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