「仏画の武山」色彩豊か 茨城・笠間 大日堂公開始まる

建物内中央に安置されている大日如来座像を見学する来場者=笠間市箱田

茨城県笠間市出身の日本画家、木村武山(1876~1942年)によって昭和初期に建てられた仏堂「大日堂」(同市箱田、市所有)の一般公開が23日から始まった。来場者は、笠間観光協会スタッフから建造の経緯などの説明を受けながら、武山の深い芸術性や画業について熱心に学んだ。

建物は中尊寺金色堂(岩手県)の様式を取り入れた方形造り。近畿地方から宮大工を招いて建てた総ひのき造りで、木造平屋の屋根は三州瓦(愛知県)でふかれている。

内部中央の須弥壇(しゅみだん)の上には、かつての武山邸近くにあった廃寺の大日如来座像が安置されている。同像を取り囲むように、壁や天井、柱には大日如来や菩薩像が色彩豊かに描かれ、「仏画の武山」の本領を感じ取ることができる。

水戸市から訪れた女性は「大日如来や菩薩が精細に描かれ、素晴らしい空間だと感じた。茨城の誇りとして後世に残せるよう、きちんと管理していただければ」と話していた。

公開は毎月第2、4日曜の午前9時~午後4時。完全予約制。拝観料は大人500円、小中高生300円。申し込みは、市生涯学習課(電)0296(77)1101。拝観希望日の5日前までに申し込む。

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