ニセ電話被害 茨城県内急増 1~3月 目立つ架空請求

携帯電話に届いた架空請求詐欺のメッセージ(県警提供)

茨城県内でニセ電話詐欺の被害が急増している。県警によると、今年1~3月に県警が認知した件数は、前年同期比約65%増の61件となり、被害金額も同52%増の約1億6700万円に上った。水戸市では1月、70代男性が長男を名乗る男などに7千万円をだまし取られる多額の被害が発生。ウイルス感染や未納料金などの通知をかたる架空請求詐欺も、前年同期に比べ大幅に増加している。

同市男性の被害は、オレオレ詐欺のうち「現金手交型」と呼ばれる手口だった。長男を名乗る男から「特急座席に大事な契約書類を忘れた」などと電話があり、男性の妻が自宅近くの路上で、容疑者側に現金を手渡したという。全体の被害額は前年同期比の約2倍に当たる1億400万円に上った。

県警が把握した61件のうち、ほぼ半数に当たる29件は架空請求詐欺で、被害額は全体で約4700万円に上っている。

中でも、ウイルス感染をかたる警告表示を使った手口は「サポート詐欺」と呼ばれ、認知件数は前年同期の3件から今期は13件と大幅増。被害額も約30万円から約770万円に急増した。料金未納をかたる詐欺の認知件数も、2件にとどまった前年同期から今期は7件に増え、被害額は約2330万円に上っている。

未納料金詐欺では、被害者が現金を振り込んだ後に、「別サイトにも登録されている」「本日中に振り込めば救済措置が受けられる」など、次々と現金を要求するケースが多いという。

また、今期は被害に遭った年代にも変化が表れている。前期は20~80代の幅広い世代だったが、今期は50~80代とシニア世代の被害が目立っている。

県警は「犯人の電話に出てしまうと、言葉巧みに相手のペースに巻き込まれる。留守電などを使い、危険な電話に出ないようにしてほしい」と呼びかける。

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