「核のごみ」の最終処分 対馬市商工会 文献調査請願、5月決定へ

 原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分に関し、対馬市商工会は24日、市内で理事会を開き、処分場選定の第1段階となる文献調査受け入れ可否について市議会に議論を求める請願を提出するかどうかを、5月19日の臨時理事会で決める方針を確認した。
 理事会は非公開。理事29人のうち22人が出席した。市商工会は当初、この日の理事会で請願提出の可否を決める方針だったが、処分事業を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)側を招いた今月中旬の説明会で、会員らの意見聴取を求める声が上がったのを受け、来月に結論を持ち越した。
 市商工会は今後、総代120人に請願提出への賛否をアンケートで問い、臨時理事会での判断材料とする。NUMOによる総代向け説明会も5月9日に開く。山本博己会長は報道陣の取材に「対馬の活性化のため、議論を喚起したい。(請願は)会員の意見をしっかり聞くべきだと考えている」と話した。
 処分場選定を巡り、経済産業省が2017年、最終処分場の適地になり得る場所を示した日本地図「科学的特性マップ」を公表。対馬は処分に好ましい地域とされた。同市では以前も処分場誘致に向けた動きが表面化し、市議会が07年に誘致反対を決議した経緯がある。

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