ごみ出し任せて 砺波・若林地区で福祉サポーターら代行、お年寄り負担減 見守りも

宮柳さん(左)からごみを受け取る佐野さん(中央)と森田さん

 富山県砺波市若林地区の若林総合福祉推進協議会(岡龍夫会長)が、お年寄りのごみ出しを代行している。同地区は田んぼに囲まれた散居村の家屋が多い。自宅から集積所まで離れ、ごみ出しが負担になっているお年寄り宅などを訪れて回収。負担軽減に一役買っている。

 砺波市若林地区には3町内があり、1カ所ずつごみ集積所が設けられている。中には散居村特有の地形により、自宅から集積所まで約2キロ離れているケースもある。今後、核家族化や免許返納が進むことで、ごみ出しの負担が大きくなる住民が増えることから、昨年9月に取り組みをスタートさせた。

 若林総合福祉推進協議会に所属している福祉サポーターと民生委員、福祉コーディネーター計11人が協力。ごみ収集日に希望する高齢者宅を訪れて回収し、集積所まで運んでいる。

 6年前に免許を返納した同市西中の宮柳百合子さん(84)は、普段は台車に載せてごみを運んでいる。「天気が悪いと出しにくい。暑くなると生ごみを自宅に置いておくことができないので助かる」と喜ぶ。同じ町内の福祉サポーター、森田美智代さん(65)と民生委員、佐野紀子さん(63)は「気軽に声をかけてほしい」と呼びかけている。

 活動を通じて1人暮らしのお年寄りの体調の変化に気付いたりするなどの効果も期待できる。岡会長は「安心して暮らせる地区にし、若林に住んでよかったと思ってほしい」と話した。

© 株式会社北日本新聞社